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山尾三省 著 早川 ユミ 解説 nakaban 漫画 / 野草社
2001年に逝去された詩人・山尾三省さん。
1977年から屋久島に家族で移住し、野とともに生きた詩人です。
野性的かつ原始的。潔さと哲学が混在した強烈で圧倒的な詩集で、ページを1枚ひらけばそこは文明と袂を分かつ屋久島の森に踏み込むような感覚に陥ります。むせ返るほどの強い緑の匂いまでが漂ってきそうな作品です。
表紙をはじめ、作中に登場するnakabanさんのイラストや漫画は、じわりじわりと迫る原始の夜や、自然への畏敬の念を彷彿とさせます。カバーの炎のイラストも、空気を含んだ揺らめきまで納められているようなどきどきした気持ちになります。
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紹介文
山に夕闇がせまる子供達よ
ほら もう夜が背中まできている
火を焚きなさい
お前達の心残りの遊びをやめて
大昔の心にかえり
火を焚きなさい
――山尾三省「火を焚きなさい」
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size:四六判変型
ページ:192p