林 木林・作 庄野 ナホコ・絵 / 小さい書房
二番目の悪者。謎に満ちたタイトルです。また帯にも「考えない、行動しない、という罪」とあります。不敵に笑うワインを掲げたライオン。まるで哲学書のような意味深の真っ赤な絵本です。
金色のたてがみをもつライオン。誰よりも強く誰よりも優れているのは自分。自分こそがこの国の新しい王様にふさわしいと考えました。そこに、心優しい銀色のたてがみをもつライオンの噂をききつけます。
みんなから愛される銀色のライオン。彼を王様にさせまいと金色のライオンはある噂を流し始めたのです…。
「嘘は、向こうから巧妙にやってくるが、真実は、自らさがし求めなければ見つけられない」
最後まで読み終えるとタイトルの意味がよく分かります。そしてこれは、架空のお話ではなく、わたしたちが生きる現代への警鐘ともとれます。
情報を得たつもりが、気づくと情報に振り回されている。そんな経験をしてはいませんか?
小学校中学年〜おとな向けの絵本です。
小学校高学年以上で習う漢字にはルビが振られています。
ぜひ親子で読んで、お互いの意見を交わし合ってもらいたい一冊です。