new
斉藤倫・うきまる 作 くらはしれい 絵 / 小学館
レミーさんという老年の女性はたいせつにしているちいさなタンスがあります。そのタンスの一番下の段にある日、茶色の小さな箱がしまわれました。その箱はチョコレートが入っていた箱でしたが、今や中身のない空箱は先にしまわれていたガラス瓶やリボン、毛糸玉などと一緒に過ごすことになりました。
しばらくするとレミーさんは引き出しをあけてキャンディーが入っていたあき瓶を取り出しジャムを入れたり、おさとうの入っていた大きな瓶に消毒をしてピクルスを入れたりしました。そうして、中身のない瓶や箱は新しい人生を歩み始めるのでした。ただ、チョコレートの入っていた茶色の小箱はずっと引き出しの中。さみしくなった小箱がふたを震わせて泣いていると、レミーおばあさんの手が入ってきて・・・。
ものを捨てずに再利用して、より素敵なものに変身させることができるのは魔法のようです。レミーさんのような暮らしをすることで、頭で考える環境保全というより、もっと身近な生活の楽しみを知ることができるように思います。レミーさんのひきだしを家に1つはもっておきたいですね。
size:A4変型
ページ:32p