new





くどうれいん 著 / BOOKNEAD
2018年に盛岡のBOOKNEADが刊行した小さな冊子。歌人で作家のくどうれいんさんのエッセイ集です。タイトルはすべて俳句になっていて俳句のWEBマガジン「スピカ」に2016年6月に連載されていたものに加筆修正がされ、再編集なされた改訂新版です。
冒頭の「芍薬は号泣をするやうに散る」に書かれた”わたしを空腹にしないほうがいい。"のくだりで、一気に掴まれます。くどうさんの個人的な体験ばかりなのにその臨場感は指でなぞるようにわかる不思議さ。
何かを得る目的でもない、何かから逃げる目的でもない、日常の一歩横ひょこっとずれるだけのような感覚で読むことができるので外出した時やちょっとした待ち時間、電車の中で読みたくなる一冊です。
ただ、食に関するエッセイですので「あー、なんか美味しいもの食べたいなー」という気持ちにはなってしまうかもです。
ページ:78p
size:文庫判
仕様:ソフトカバー