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M.B. ゴフスタイン 作・絵 谷川 俊太郎 訳 /G.C.PRESS
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私のいる棚の下の窓わくに
いっそうの漁船がいかりを下ろしている、
そこからは潮の香りが
ただよってくる。
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木製の人形の女の子が主人公のちいさなちいさな物語。
その後、窓わくの下の漁船から船長さんが女の子に会いにやってきます。彼は女の子に結婚を申し込み、ミニチュアのごちそうを囲み一緒に食事をします。おだやかに時間が過ぎていき、やがて船長さんは長い航海に出るのです。
この全てが木製の女の子の人形の想像なのですが、この想像こそが彼女がここで生きていくために必要なプロセス。
たとえ現実の自分がどこへも行けなくても、想像の世界なら誰かを想うこともできるのです。
シンプルでささやかな絵本ですが、ゴフスタインの作る絵本の良さがぎゅっと詰まった一冊です。
size:17cm×13cm
ページ:32p