




石井 正則 著・写真 / トランスビュー
明治以降存在しつづけた13箇所の国立ハンセン病療養所。
実際は強い感染力をもたないにもかかわらず、コレラやペストなどの伝染病として恐れられいたハンセン病。
病で強制的に隔離され、家族とも引き離された人々が暮らした痕跡がカラーフィルムで撮影されて収録されています。
そこで一生を生きることを余儀なくされた尊厳のある人々の言葉がじりじりと迫ります。
ハンセン病の歴史を通して、学ぶことはまだ多いと感じます。
目を背けず、軽視することなく、心に刻んでおきたい写真と詩の書籍です。
*国立ハンセン病資料館学芸員の木村哲也さんによるハンセン病政策と療養所の歴史についての解説も収録されています。
【掲載詩】
国本昭夫「妹の手紙を見て」
久保瑛二「心のたより」
水野きよし「母」
塔和子「金魚」
厚木叡「伝説」
森春樹「微笑まなかった男」
秋田穂月「島の火葬場にて」
中石としお「石女」
北浜知代「解剖」
島村静雨「海と断層」
C・トロチェフ「びよういんのさくら」
越一人「栗生望学園」
近藤宏一「舌読」
西羽四郎「癩憲章」
森中正光「指」
戸田次郎「解剖室の感想」
福寿美津男「特別病室」
藤本とし「呼吸のおくで」
島田等「橋」
谺雄二「ライは長い旅だから」
堂崎しげる「ひかりについて」
志樹逸馬「曲った手で」
島比呂志「病める樹よ」